「フードセーフティ」と「フードディフェンス」の違い
先日の更新審査の結果がそう言えば来ていました。もちろん再認証されたわけですが、来年の規格改正への対応が始まります。これと言って新しい事を始める事もなく、より企業経営と統合しやすいものへと改正されるものと認識しています。
食品を扱う業種において、安心・安全をいかに担保するか?という課題は永遠のテーマになるのでしょう。特に近年はフードセーフティへの取組みだけでなく、フードディフェンスへの対応が強く求められています。HACCPの義務化も始まりますが、どちらかと言うとフードセーフティの方に入ります。ISO22000も同じくで、フードディフェンスとなるとFSSCのマネジメントになってくると思います。
フードディフェンスとは?例えば、悪意を持った食品事故につながるものをどのように防ぐか?というような対応です。「フードテロ」なんて言葉もありますが、過去のジェイティフーズ、アクリフーズと言った例もある通り「故意に発生させる事故」の防止です。この場合「事故」じゃなくて「事件」ですかね。
となると、食品の安心・安全に必要不可欠なのは「人材」という言い方も出来ます。まず、異物混入など食品安全における企業が抱える課題について見てみると、大手企業ではX線検査機や金属探知機、監視カメラなどハード面にコストを掛けて対応しているように思います。もちろん必要な事ではありますが、コスト面において、中小企業では限界もあります。
大切なのは、導入したハードに対するソフト面の徹底なのだと考えます。自分たちも含まれる中小の企業では見合ったハードの導入にとどまりますが、それで良しとしてしまいがちなところがあります。しかし、ハードを運用するのは「人」、そのメンテナンスも「人」、人材の教育ができていなければ機器の維持管理だけでなくその意味さえも薄れてくる可能性もあります。
しかし、食品安全に関する人材育成が難しくなっているという現状もあるわけです。
その原因には、食品業界に蔓延する人手不足があります。多くの企業では社員の入れ替わりが激しく、また人材の確保にも苦労していると思います。さらに、日本人従業員の確保が難しく、外国人への教育の徹底、外国語のマニュアル作成など、規模が大きくなればなるだけ現場への落とし込みがうまくいかないのです。
実際のアンケート結果を見てみます。財団法人食品産業センターというところの実施した「食品業界におけるフードディフェンスへの取り組み状況等調査」の結果ですが、意図的な毒物等の混入や汚染について、食品製造業102社のうち11%にあたる12社が「受けたことがある」という回答でした。また、製造のどの段階で攻撃を受けたかについては「不明」と答えた企業が7社となっています。事件の解決に至っていないのが半数以上と言う事です。
先に挙げたような冷凍食品への農薬混入事件では、同社に勤務していた契約社員が、製品に農薬を混入させたとして逮捕されています。犯行の理由は、契約社員の給与改定による減額・人事評価に対する不満と言う事。そして会社自体も無くなっています。
製造ラインで起こる意図しない異物混入などの事故を防ぐ『フードセーフティ』は、長年の経験則によってもリスクや危害をある程度予測できるわけですが、故意や悪意に対するフードディフェンスは、フードセーフティの対策だけでは防ぎきれないのです。
このフードディフェンスについて今後自社でも取り組もうとしています。具体的な活動など参考にしていただけるように紹介していければいいなぁと思っています。
理想や方法論はたくさん調べる事が出来ますが実際の取り組みへ、様々な業務内容で適応させていくにはリアルな活動例がないと難しいところがあります。「知っている」から「出来ている」へステップアップさせられるように学習を進めていきましょう。
食品を扱う業種において、安心・安全をいかに担保するか?という課題は永遠のテーマになるのでしょう。特に近年はフードセーフティへの取組みだけでなく、フードディフェンスへの対応が強く求められています。HACCPの義務化も始まりますが、どちらかと言うとフードセーフティの方に入ります。ISO22000も同じくで、フードディフェンスとなるとFSSCのマネジメントになってくると思います。
フードディフェンスとは?例えば、悪意を持った食品事故につながるものをどのように防ぐか?というような対応です。「フードテロ」なんて言葉もありますが、過去のジェイティフーズ、アクリフーズと言った例もある通り「故意に発生させる事故」の防止です。この場合「事故」じゃなくて「事件」ですかね。
となると、食品の安心・安全に必要不可欠なのは「人材」という言い方も出来ます。まず、異物混入など食品安全における企業が抱える課題について見てみると、大手企業ではX線検査機や金属探知機、監視カメラなどハード面にコストを掛けて対応しているように思います。もちろん必要な事ではありますが、コスト面において、中小企業では限界もあります。
大切なのは、導入したハードに対するソフト面の徹底なのだと考えます。自分たちも含まれる中小の企業では見合ったハードの導入にとどまりますが、それで良しとしてしまいがちなところがあります。しかし、ハードを運用するのは「人」、そのメンテナンスも「人」、人材の教育ができていなければ機器の維持管理だけでなくその意味さえも薄れてくる可能性もあります。
しかし、食品安全に関する人材育成が難しくなっているという現状もあるわけです。
その原因には、食品業界に蔓延する人手不足があります。多くの企業では社員の入れ替わりが激しく、また人材の確保にも苦労していると思います。さらに、日本人従業員の確保が難しく、外国人への教育の徹底、外国語のマニュアル作成など、規模が大きくなればなるだけ現場への落とし込みがうまくいかないのです。
実際のアンケート結果を見てみます。財団法人食品産業センターというところの実施した「食品業界におけるフードディフェンスへの取り組み状況等調査」の結果ですが、意図的な毒物等の混入や汚染について、食品製造業102社のうち11%にあたる12社が「受けたことがある」という回答でした。また、製造のどの段階で攻撃を受けたかについては「不明」と答えた企業が7社となっています。事件の解決に至っていないのが半数以上と言う事です。
先に挙げたような冷凍食品への農薬混入事件では、同社に勤務していた契約社員が、製品に農薬を混入させたとして逮捕されています。犯行の理由は、契約社員の給与改定による減額・人事評価に対する不満と言う事。そして会社自体も無くなっています。
製造ラインで起こる意図しない異物混入などの事故を防ぐ『フードセーフティ』は、長年の経験則によってもリスクや危害をある程度予測できるわけですが、故意や悪意に対するフードディフェンスは、フードセーフティの対策だけでは防ぎきれないのです。
このフードディフェンスについて今後自社でも取り組もうとしています。具体的な活動など参考にしていただけるように紹介していければいいなぁと思っています。
理想や方法論はたくさん調べる事が出来ますが実際の取り組みへ、様々な業務内容で適応させていくにはリアルな活動例がないと難しいところがあります。「知っている」から「出来ている」へステップアップさせられるように学習を進めていきましょう。
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