「バナナが真っ黒」というクレームを受けて

外気温が下がってくると、野菜などの物流にも気を使います。


冷凍食品から非食品まで、もちろん青果もまとめてお客様に納品をしているわけですが、先週くらいから、野菜の低温障害のクレームが入るようになってきました。今日はそのうちのひとつ「バナナ」について。


お客様から「30本のうち10本が黒くなってダメなので交換してください!」とのクレームが入りました。結論は対応したわけなのですが、バナナの皮が黒くなる原因としては2種類があります。


聞いた事があると思いますが、バナナの皮に黒い斑点模様が現れる「シュガースポット」「スウィートスポット」などという現象。これはバナナが熟していると起こるもので、見た目で不安になったりするかもしれませんが、食べて大丈夫です。


もちろん果肉の方ですが。これが出てくると果肉に糖度が増して甘くなっている状態ですので、「丁度良い食べ頃」と言えると思います。


もうひとつは、低温状態に長く置いた場合、皮が真っ黒になってしまうことがあります。これは低温障害として挙げられますが、バナナが15度以下の環境に弱い事から起こる事です。

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今回のクレームは後者の低温障害と思われました。配送途中であったり、保管中の温度の低下があると思われたからです。例えば、コンテナに入れて物流していたとしても冷えたものとくっついていたりしても起こる事があります。


いずれにしても、食べても問題はありません。むしろ、シュガースポットと呼ばれる黒い斑点模様の増えたバナナは体に良い影響があるとも言えます。


シュガースポットのあるバナナには、主要壊死因子と言われる物質が増えることが分かっています。この主要壊死因子というのは、免疫細胞のマクロファージという白血球の一種が分泌する物質です。これが活性化することで免疫力を高めることができると考えられており、食べるだけで体の免疫力アップに繋がる・・・と言う事なんです。



また、果肉が黒ずんでしまう原因についても触れておきます。皮を剥いて置いておいたバナナや、切った切り口が変色したという経験はないでしょうか?これは、バナナが持つポリフェノールと酸素が触れる事で起こる現象です。数分で変色してしまうのはこのせいなのです。


栄養価的には変色しても変わりはありません。多少食感と味に変化がありますが、実が黒くなっていた場合でも食べて問題はありません。


まぁこんなうんちくをお客様に話したところで「だからお使いください」と言うのもあんまりでしたので、対応する事にしたのです。もちろん低温障害の部分はこちらの温度管理で防ぐことができたものでもありましたので。


他にも、きゅうり、さつまいもでも低温障害によるクレームを発生させてしまったのには、まだまだ管理不足だなぁと反省するところでした。


一応剥いてみた・・・
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ごめんね バナナさんっ

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