暑さが苦手な「鶏」 卵への影響は？

毎日暑い日がつつきますね。


こんな熱いと、鶏たちの状態も心配になってきます。鶏と書くと想像にたやすいかもしれませんが、鶏卵を扱っているのでその件。


動物の平常体温を比較しても鶏の体温は高いんです。


人　　　：　約３６度

豚　　　：　約38～39度

牛　　　：　約39度

鶏　　　：　約41度


これは、空を飛ぶ鶏だから常に暖機状態というイメージでしょうかね。散乱した時に卵を温めるという重要な機能としても、この体温は重要なんです。


かといって、夏場の高い外気温には弱くて、採卵鶏の快適な温度帯と言うと「15度以上25度以下」という環境が最適と言われています。「熱的中性圏」です。


鶏たちの環境は良い卵を産んでもらうために非常に気を付ける事が多くあります。「換気」をしていないと、呼吸器の病気にもなりますし、「温湿度」も適度な管理が必要となります。そして「水」「飼料」と必要に応じて与えなければ、体の維持・産卵に影響が出てきます。


さて、高温状態が続いたとき、どのような事が起きるのか？結果としては「卵の生産量・品質の低下」が起きてきます。最悪は熱死の発生もあります。


高温の環境下では鶏たちも水ばかり飲んだり食欲が低下します。すると「卵重の低下」（0.2～0.3ｇ低下/１度上昇で）や「卵の殻の質が低下」などです。また、産卵率の低下しますし、卵質が低下します。


一方、低温時に起こる事は、「飼料摂取量の増加」「卵重の増加」が出てきます。寒くなるので、体を温める為にエネルギーを消費しますから、食欲が出てくるんですね。結果大玉が増加するわけですが、同時に「産卵率の低下」も起きてきます。１５度以下から１度下がる毎に、産卵率は1.5％低下するデータもあります。


ほぼ毎日食べている卵ですが、鶏たちの他に飼育する人たちの苦労があって流通している商品。なかなかそう言った苦労って見えないから想像もしづらいですけどね。


結論として鶏は暑さが苦手です。人と違って汗腺がない為、汗をかけないんです。体表からの熱の放散が主になりますから、この時期は鶏舎の温度管理に気をつけなければなりません。


温度管理はほとんど自動でしょうけどね。