学校給食の卸問屋の悩みです
学校給食への納入をしている商社についてまわる悩みはどこも一緒だと思いますが、大きく3点を挙げてみます。
①納品時間
②食材のキャンセル
③納品ロット
いかがでしょうか?学校給食に関わらずあるかもしれませんが、「納品時間」については「当日の朝7:30~8:00まで」とか生鮮品だったらわかりますが、すべての食材とかって基本的にあり得ないですよね(笑)
各地の学校給食がそれやってたらどんだけの車が必要になるか、、、。調理冷食だったら前日に納品しておけるし、それも当日なんですからね。まぁまぁそういう指導なのかもしれませんね。
場所によっては「保管スペースがない」「冷凍庫がない」とか言うんですよ。ほんとの調理場なんですね。お役人に考えて欲しいところです。
ところで、今回は法律の件と絡めて、②、③について水面下での動きをお伝えします。これは改善してほしいし、協力したいところです。
2019年10月に「食品ロス削減推進法」が施行されたことはご承知の通りだと思いますが、2020年比で2030年までに、事業系食品ロスの50%削減が目標設定されました。
企業内の取組だけでは困難と思われるこの目標数値を達成するためには、食事提供に至るまでの一連の流れに関わるすべてを巻きこんだ食品ロス削減への取り組みが必須なんじゃないかと思われます。
先に書いた「悩み」である二つは、具体的に「納入品の賞味期限統一」と「自然災害によるキャンセル」です。
「納入品の賞味期限統一」とは、「一つの商品について複数の賞味期限のものを納入してはいけない」というルールです。しかし、保健所は、「賞味期限内の商品であれば賞味期限が異なっていても問題ない」との見解です。
ではなぜこのルールがあるのか?それは、「加工品はロットごと(=賞味期限ごと)に食材を保存する」という制約がある為です。なにか事故が起きた際、どのロットの食材に問題があったのか?などのトレースの管理をしなければなりません。
ですが、納入品は同一賞味期限でなければなければならないという法的な制約があるわけではありません。この、ロット毎に食材を保存するという制約に対して、各行政単位で運用ルールを定めていて、様々な要求レベルが存在しているんです。
問屋側の悩みとなるのは、納入品の賞味期限について厳しい制約条件(例:賞味期限は統一)を付けられると、供給側は煩雑なオペレーションや商品ロス(食品ロス)に悩まされるわけです。メーカーからの仕入れた数量全部を納品できるわけではないので、賞味期限内で在庫しながら先入れ先だしを出来なくなるんです。
また、「自然災害等による急なキャンセル・順延」も、大きな食品ロスにつながっています。ひどい時は1ヶ月以上の順延だと在庫管理に負担が掛かりますし、チルド品は廃棄せざるを得ません。
「明日使います!」ってな翌日にスライドであれば食品ロス削減が図れますよね。
ある地方都市ではキャンセル品の廃棄証明が必須なんて事もあるようです。セカンドハーベストなどフードバンクへの寄付だけでも可となれば食品ロスを減らすことができます。
自然災害や学級閉鎖などによるキャンセルは、誰が悪いという事はないですが、「食品ロス」を削減しようとするならば考えなければならない問題となります。
この問題に対して、学校給食への食材供給を行っている大きな三つ団体が取引条件の改善に乗り出しています。学校給食の現場ってほかの厨房に比べて意外と考え方含めて古臭いところがあるんですよね。
必要以上に食品への安全性に過敏になったりしている点も多少お考えいただきたいところでもありますね。
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